【リアルアーティストライフのススメ】アーティストの死

今回のロックの日の企画に
プレゼンテーターとして参加してくれる
友人のケンタローくんと打ち合わせしていたときのこと。


「島田さん、最近『時間』に関していて

 ふと思ったことがあって
 調べてたのですが、
 『時間』には2種類あるみたいなんです。」


という興味深い切り口で

話をもってきてくれた。

この2種類の時間に関して、
僕はエリアーデの

聖なる時間・俗なる時間

を思い浮かべたが、、、違った。
(もちろん通ずる部分はあるが)

ケンタローくんが持ってきてくれたのは、
カイロスとクロノスという概念である。

カイロスはギリシア神話で
「一瞬」を表す神であり、

クロノスは
「連続した時」を表す神。

つまり、同じような時間を過ごしていても、
カイロス的な時間意識というのは
一瞬一瞬であり、
クロノス的な時間は
直線的な感じ方なのである。


ハイデガーの「いまここ」

ラテン語で言われる「メメント・モリ」
古代ローマ ホラティウスの詩「カルペ・ディエム」


これらは、全てカイロス的な時間を

感じて生きることを意味している。

そして、リアルアーティストの在り方である。

僕はバンドメンバーに対して、
このカイロス的な時間の捉え方を
よくライブ直前などで話す。

それは、、、


僕らは何度も演奏している

曲かもしれないけど、
お客さんにとっては
初めてかもしれない


ということだ。

クロノス的な時間意識で、、、
つまりいつも普段の延長上でついつい
演奏をしがちだが、リスナーにとっては
カイロス的な時間を
感じているかもしれない。

僕らは100回演奏し続けた曲
かもしれないが、
お客さんにとっては
1回目かもしれないし、
とても特別な時間かもしれないのだ。

僕が言いたいのは、、、

曲を聴いているリスナーが主人公であり、
スポットライトを当てるということを
アーティスト側が意識する必要がある
ということだ。

こう考えると、発信されるコンテンツは

リスナーのものであり、
表現者のものではないのか

と、思うかもしれない。

そう、リスナーの
カイロス的な時間のために、
アーティストは作品から「自分」を
排除しなくてはいけない。

作品を完成させればさせるほど、
そこからアーティストは消えていき、
死へと向かう。

そういう風にも捉えられるだろう。

しかし、ここには議論の余地があるので、
7月6日のイベント

「コンテンツは日本を救うのか?」

でディスカッションしたいと思う。

リアルアーティストの在り方として、
時間や作品との向き合い方を
問われるからだ。

あなたはどう考える?

 

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2013年6月5日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:RAS

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